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#4climax

ななの再演と氷雨の裏切りとスタァライトにおける罪の話。

♯4で思うことは色々あるんですが、ななに関しては、もう再演がどうとか言われなくなりそう。少なくともスタリラはそこをいじれなくなると思った。


ななの再演は断罪されるべきという層が今でもいるのかは分かりませんが、♯4の氷雨に対する「みんなを信じないことは失礼だよ」という発言は、なな自身への発言にも見えた。アニメの中で明らかになった再演ですが、「ななの再演は周りに迷惑をかけていた行為」だと思ってる人たちが欲しかった台詞はまさしくこれだったんじゃないかと思います。

そもそもスタァライトの罪って許す許さないという次元の話ではないはずなのです。咎められたり、諭されたりといったことも描かれない。罪の意識はその子だけのもので、他人が介入するものではないという描かれ方をしています。ななの再演も、氷雨の裏切りもそうです。罪の意識から立ち上がるのはその子の意志でしかない。でもそのあたりのメッセージが伝わりにくく、視聴者はどうしても「行い」に意識が向く。氷雨ちゃんも当時は「ひどいことをした子」と非難されてしまいました。

♯4の氷雨とななは、氷雨の罪の意識をななが受け止めるという構図が♯2とまったく同じです。でもななの受け止め方が違ってました。電話のシーンのやり取りはこれまでのスタァライトにない文脈なので本当に驚いたのですが、氷雨の罪をななが咎め諭すことで、三浦さんは二人の救済を描きたかったのかもと今は思っています。


そういえばひかりちゃんが「勝手にいなくなってごめんね」って華恋に謝るのもシリーズ通して初めてかも? やはり「罪は断罪されてしかるべき」という物語が多いので、書き手側も視聴者側もスタァライトの罪の扱いに慣れてないところはあったと思う。(それでも信念を貫いた監督はすごいです)

ちなみに中等部の江嵜脚本の場合、謝罪は結構あるんですが、その直後に大きくてインパクトのある台詞と感情を持ってきてました。だからシーンは湿っぽくならないし、キャラクターも責められにくいんじゃないかと思うし、後味も良い。江嵜さんはこのあたりのバランスのとり方が丁寧です。

たたむ

つぶやき

#4climax

♯4はかなりTVシリーズを意識していますよね。
氷雨の物語がななの筋をたどっているのでそう思ったのですが、舞台セットがまさしくそう。赤いカーテンと塔にばかり気を取られていましたが、左右に分かれた階段は、よく見ると真っ白ではなく灰色で、戯曲スタァライトを暗喩しています。(シークフェルト公演の白い大階段が印象的だったのでその続きで見てしまってた)

そして綺羅星ディスタンスの最後。華恋がフローラ、ひかりがクレールのポジションが守られています。クレールとフローラは塔の頂上のセンターでキラめきを奪い合う。アニメでは手をつないで二人でポジションゼロをしますが、♯4では手をつながずに華恋は一人で塔を降り、そのままひかりの前から姿を消します。

あとは言わずもがな、華恋の髪飾りの使い方。このすがすがしいラストが見られたのが一番嬉しかった。

アニメも舞台も、華恋は今まで「舞台に立たされてきた」感じがあったんですけど、今回は自分の意志で舞台に立ってたのもよかったな。

つぶやき

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#4climax

綺羅星ディスタンスの歌割り、見れば見るほどひさななすぎませんか。

A~Bメロを各ペアで歌っていく形ですが、三段階に分かれたステージの一番上で歌うのはひさななだけなんですよね。塔のふもと、ステージの真ん中に引かれた子午線を挟んで一瞬だけ向かい合うのはえもすぎました。


続きから氷雨ちゃんの孤独についてのメモ。


氷雨の孤独は、無響=誰にも響かない(響かせるつもりのない)孤独。
BGのプレコールに「積み上げるこの暗闇に」とあるので、ネガティブな孤独ではなく、好んで孤独になり一人で淡々と自分と向き合っている。

Delightで晶に対して「孤独に疲れるときもあると小春さんを見ていれば分かる」という台詞があるので、氷雨は孤独だけどそれに疲れることはない。つまり自ら好んで孤独を選んできた。その時間が氷雨の歌を高めてきて、氷雨はそのことを知っている。


ここから妄想。
舞台の『わたしたちがここにいる理由』のななの歌詞「慣れていた当たり前の孤独 舞台が変えてくれたの」を氷雨に当てはめると彼女の思考を追いやすいです。「慣れていた当たり前の孤独、それが高校で出会った舞台と仲間たちが変えてくれた」。ななは♯3のレヴューで「別れ」を演じ(劇場版を経て)自分の迷いを断ち切ります。氷雨はそれをしないまま「不合格通知を貰うこと」を選択します。

これが氷雨なりの別れ方(初雪の日と同じ😢)です。けれどいざ不合格通知をもらい孤独を突きつけられたとき、「心が壊れそう」になる。それくらい氷雨にとって青嵐の存在が大きくなっていて、自分の卑怯さに自己嫌悪に陥る(♯2と同じ😢😢😢)

ななで一度激しい自己嫌悪と後悔を抱き、BGとDelightで「相手と向き合うこと」を覚えた氷雨でしたが、それでも「自分は孤独なんだ」「孤独でも全然平気」と心のどこかで思っていたんだろうな~と思います。BGではさくらが登場して小春が立ち直ればそれでOK、Delightでも文が登場して晶が笑顔になったら颯爽と身を引きますし。

孤独についてはよく知っているけれど、寂しいという感情を知らなかったんじゃないかなあ。(こういうキャラクター、他にいないかなあ…)


台詞にある「他人に振り回されて自分が分からなくなっていた惨めな私」がどの時点の氷雨ちゃんなのか、少し考えます。たたむ

らくがき

#4climax

卒業式の「Green Dazzling Light」の振り付け。

氷雨ちゃん、青嵐として(小春と涼と一緒に)斉唱し、Delightした晶と目を合わせて、一列に並んだあとclimaxした香子と目を合わせて、真矢と星を見上げて、歌唱が終わってやっとななと目を合わせて手を繋ぐ。

曲終わりまで氷雨とななは隣同士になることはあっても決して目を合わせない。卒業してやっと、目を合わせて手を繋ぐようになってる。ちなみにななは、曲中ずっと聖翔の子を見てる。

最後の最後まで二人は視線を合わせないのが印象的というか、高校生活を濃縮したような振り付けになってるんじゃないかと思うと味わい深いです。


(追記)
門山さんのインスタで「電話のシーンの稽古で向き合ったら涙腺崩壊した」とあり、グリダズも涙腺にくると書いてあったので、この二人が不自然なくらい視線を合わせないのは門山さんの涙腺決壊を防ぐためだったのかもしれない😳 なんにせよ、門山さんも小泉さんも、氷雨とななの関係をすごく大切にしてくれてるのが今作で分かってよかった。ツーショット写真も久しぶり!

ひさななを描きたい気持ちもあるんですが♯4を見るのに忙しくてなかなかそこまでいきません。余韻にひたりまくる派です。

つぶやき